なぜIT業界にはSES企業が多いのか?

SES

僕がIT業界に入る前のイメージは、自社に自分の席があって、そこで自社のプロダクトや受託案件をチームで開発しているイメージでした。

しかし、入社した会社はそのような会社ではなく、客先常駐で仕事をする会社でした。だいぶイメージしていたものとは違うと思った経験があります。

調べてみれば、自社開発している会社の方が少なく、ほとんどは客先常駐で仕事をする会社の方が多いということが分かりました。もっと業界研究をしておけば良かったと後悔したほどです。

なぜこんなにも客先常駐させるSES企業が多いのか。これまでの経験からその理由を書いて行きたいと思います。

尚、僕はずっとエンジニア畑を歩んできた人間で、経営や営業の経験はないので、もっと核心的理由があるかもしれません。なので、あくまでエンジニア目線であり、参考程度に見てもらえればと思います。

企業としては売上が安定する

多分、これが一番大きなメリットで、今回のテーマの結論になります。

社員や契約しているフリーランスなどの人材を客先に常駐させる場合、月単価◯万円という形で契約することがほとんどです。
たまに、アルバイトのような時給換算のケースもありますが、ほとんどは月単価での契約になります。

こうすると、その人が常駐している間は契約単価が安定して企業に入ることになります。常駐させる人が多くなればなるほど売上が大きくなり、売上も安定するため計画も立てやすくなります。

もし自社サービスで売上を作ろうとした場合

この場合、作ったサービスがヒットすれば大きな収益を得られますが、そのようなサービスは少なく、作ったはいいけどユーザーに使われず、売上がないサービスは珍しくありません。

最初はヒットしたけど、時間の経過とともにユーザーが離れてしまうケースもあります。飽きられたり他にライバルが現れたりする場合です。

そうなると、売上がないのに人件費だけがかかるという状態になり、最悪会社が倒産してしまう事態になります。

このように自社サービスの場合はハイリスク・ハイリターンの側面があり、SESに比べると売上が安定しないというデメリットがあります。

簡単にサービスをヒットさせられるのなら、みんなすぐにお金持ちになっています。うまく行く会社の方が稀で、殆どは日の目を見ることなく散って行きます。厳しい世界ですよね。

案件を受託する場合

この場合も、安定して案件を受注するのは簡単ではないので、やはり売上が安定しないという状態になります。

また、受託の場合は決められた納期までに開発を完了させて納品しなければならないというプレッシャーもあります。間に合わなければ人海戦術で乗り切るようなケースもあり、そうなると人件費が想定以上に膨らみ赤字となるリスクもあります。

受託においてもSESに比べると売上が安定せず、リスクも大きいというデメリットがあります。

このような理由から売上が安定するSES事業を行う会社が増えるということになります。

社員教育を最低限で済ませられる

これは前にいた会社の営業が言っていた言葉です。

「SESだと、社員教育は最低限の基礎だけ教えて、あとは入れそうな案件に入ってもらって、客先で教育をしてもらえる」

なんだかひどい話に聞こえますが、同じように考えている会社はあるのではないでしょうか。

経営者にとっては不労所得になる

SES事業でも最初は人集めをしたり大変な部分はあるのですが、ある程度契約先と紹介するエンジニアが集められて、実際に常駐させられれば、安定的に売上を上げることができます。

売上は常駐しているエンジニアが働いて稼いでくれるので、SES事業を行っている経営者からすれば不労所得になります。

不動産オーナーと構図は似ていると思います。
良い不動産(常駐先のクライアント)を見つけて、そこに入居者(エンジニア)に住んでもらうことで家賃収入(契約単価)を毎月得る。

新たなクライアントやエンジニアを探したり、契約が終了してしまったエンジニアに次の案件を紹介したりと楽なことばかりではないですが、自社サービス開発や受託開発よりは格段でリスクが低いと言えます。

SESは一度手を出したらやめられない麻薬

これは僕が個人的に思っていることです。

SESは一度手を出したらやめられなくなる麻薬のようなものだと思っています。

僕が前にいた会社は、最初はSESを一切やっておらず、自社サービスと受託で収益を得ていました。それが一度SESに手を出したことで「こんなにも安定的に売上を立てられるのか」と旨味を知ってからはSESの比重が大きくなり、売上の8割程度がSESの会社に変貌してしまいました。

また、他の会社でも「今後はSESの比重を下げて、自社サービスや受託の比率を増やしていく」と言っていたのに、数カ月後には「やはりSESの売上をもっと拡大して行く」とあっさり方針転換していました。

それだけ自社サービスや受託は大変であるということなんですよね。そうなると、低リスクで安定的に売上を立てられるSESをメインにするのは自然な流れなのかなと思います。

そして、フリーランスに案件を紹介するエージェントが多数あるのも同じ理由だと考えています。参入企業が多いということは、それだけ儲かるということなんでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました