40代後半フリーランスエンジニアが案件を選ぶときに重視していること

フリーランスの現実

以前、お金、スキルよりも消耗しないことを優先した理由 という記事を書きました。

結論から言うと、現在、案件選びで一番重視していることはこの「消耗しないこと」です。

もちろん、それ以外にも重視していることはありますので、今回の記事では主に重視していることについて僕の考えを書きたいと思います。

なぜ案件選びが以前より重要になったのか

40代後半になると、「案件があるか」だけでなく、「どんな案件を選ぶか」がより重要になったと感じています。

理由は、20代、30代の頃と比べて生活環境が変わったこと、体力的なところが大きいです。

生活環境では子供の学費にお金がかかる時期になっているのが一番大きいです。そのため、収入が途切れるリスクをできるだけ減らす必要があると感じています。

体力的なところは、どんなに運動しても抗えないところがあります。若い頃に比べると疲労の回復が明らかに遅くなっているのを感じます。若い頃と同じ働き方をしたら確実に体調を崩すだろうと思います。フリーランスの場合、体調を崩したら、収入が途切れることになります。絶対に避けたい事態です。

これらを踏まえて案件選びが重要になった理由を書いて行きます。

若い頃は経験を積むことを優先していた

若い頃(20代、30代)はとにかく経験を積むことを最優先にしていました。

高いスキルを身につけたい、今後エンジニアとして生き残っていくために必要な経験ができる案件に参画したい。この気持ちが一番強かったです。

今考えると信じられないのですが、当時は健康やお金よりも、とにかく将来有利になる経験を積むことを最優先としていました。

今は消耗せずに安心して働ける案件を重視している

今はとにかく、消耗しないことを一番重視しています。

自分にとって消耗しない案件とはどんな案件かは後述します。

健康第一に肉体的にも精神的にも消耗せず、疲弊せずに安心して働ける案件に参画することが一番だと考えています。

そのような案件の方が、個人的に能力を発揮しやすい環境であるというものあります。

このような考えになったのは、炎上案件に参画して体調を崩した経験をしたのがきっかけです。それについては お金、スキルよりも消耗しないことを優先した理由 という記事で具体的にどんなことがあったのかを書いていますので、ご興味があれば読んでみてください。

僕が案件を選ぶときに重視している7つのポイント

案件を探す際は、単価だけでは判断しません。

上記で消耗しないことを優先していると書きましたが、それは「自分の能力をしっかりと発揮できるか」に繋がっています。

理想はどんな環境であっても能力を発揮できることなのですが、僕はそんなに器用ではないので、かなり環境に左右されます。自分の能力がしっかりと発揮できる環境に身を置く。これをかなり意識しています。

そのために実際に僕が確認しているポイントを紹介します。

残業が少なく無理なく働けること

これは健康に直結することなので、かなり重視しています。

長時間労働すれば、当然疲れます。疲労が蓄積すれば頭も回らなくなり、生産性も落ちます。何より体調を崩す要因にもなります。

20代、30代の頃はまだ体力があったのでキツイながらも乗り越えていましたが、40代後半となった今ではリスクでしかないので残業が多い案件は避けるようにしています。

人間関係や職場の雰囲気が良さそうなこと

人間関係。もしかしたら働く中で一番大事かもしれません。

どんなに忙しくても、人間関係が良かったから難なく乗り越えられた案件も過去にはありました。

ただ、人間関係は実際にその環境に入ってみないと分からないことが多いです。なので、良い人間関係の環境に入る確率を少しでも上げるために、事前に以下を確認するようにしています。

  • 残業が少なく稼働が安定しているか(絶対ではないが、忙しい案件ほどメンバーに余裕がなくギスギスしていることが多い)
  • 募集の理由(増員ではなく、前任者離任による代替要員の場合は警戒)
  • スタートアップの場合は安定したフェーズか(プロダクトから安定的な収益が得られていないフェーズで、思うように伸びていない時はメンバーの入れ替わりも激しく非常にやりにくいことが多い)

自分の経験を生かせる技術スタックであること

メインの技術がこれまで使用経験がある技術であることも重視します。

フリーランスの場合は、即戦力を求められているので、未経験スキルを求められる案件に参画するのは、そもそも難しいというのもあるのですが。

新しい案件に参画すると、環境に慣れるための負荷がかかります。
また、開発対象の仕様を把握し、チームのルールも把握したりと覚えることも多いです。

そんな中で完全未経験スキルばかり使うとなったら、覚えることが多すぎてパンクしてしまいます。ほぼ戦力にはなれず、戦力になるまでの時間もかかるでしょう。

なので、まずはこれまで使用したことがあるスキルがメインスキルである案件を優先します。

メンバー要員であること

これは完全に僕の資質の問題です。

僕はリーダー的立場になると、全く能力を発揮できなくなり、ほぼ使い物にならないです。

何度か克服しようと自分なりに努力はしてみましたが、完全に向いていない不得意領域なのだと分かり、諦めました。

要するに、リーダー的立場では上手に仕事ができない才能があるのでしょう。

これだと自分は苦しいですし、周囲にも迷惑をかけて誰も幸せにはなれないので、自分の能力を発揮できる立場で仕事をするようにしています。

チーム体制・役割がはっきりしていること

これも好き嫌いがあると思うので、人によって合う合わないがあると思います。

僕はシード期のスタートアップに2度参画したことがあるのですが、このフェーズのスタートアップはメンバーの役割、体制がはっきりしていないので、各個人が色々なことをやることになります。

僕にとっては非常にストレスでした。特に不得意なことをやらざるを得ない状況となり、期待未満の結果しか残せず苦言を呈された時などは辛かったです。

大手企業や軌道に乗って体制が確立しているスタートアップの場合は、適材適所で人材を配置する傾向があるので個人的には非常にやりやすさを感じます。

僕にはチーム体制がしっかりと確立されており、メンバーの役割が明確になっている環境の方が合っており、能力が発揮しやすいので、このような環境を選ぶようにしています。

リモート勤務できること

コロナ禍をきっかけに広まったリモート勤務。

最初の緊急事態宣言が発令される前に、当時いた案件においても完全リモート勤務になりました。

実際に家で仕事をするようになって気付いたのは「今の自分にとって、仕事における一番のストレスは通勤だったんだ」ということでした。

僕自身が電車という乗り物が好きではないというのもあります。満員電車が好きな人はいないと思いますが。。。また、自宅が都内ではないため、都内まで通勤するのに1時間以上かかってしまうというのもあります。

それと、エージェント経由で案件に参画すると、基本的に交通費は単価に含まれていることになります。そのため、リモート勤務になると交通費がかからなくなるため、その分出費が減るというメリットもあります。

最近は出社回帰している企業が多いですが、その中でもなるべくリモート勤務が許容される案件を選ぶようにしています。

単価

自分としてはあまり高望みはしていないつもりではありますが、生活の基盤となる収入に直結するものなので重視します。

環境にもよるのでいくらが適正なのかは具体的に分からないのですが、高ければ高いほど嬉しいというのが正直なところです。不必要に自分を安売りしたくないですし。ただ、あまりに高すぎるとプレッシャーになるので難しいところです。

1つ意識していることがあるとすれば、商流が深いエージェント経由で参画はしないということです。

同じ案件でも商流の深さで単価が変わってしまいます。商流が深いほど引かれるマージンが多くなるためです。求められているスキル、役割は同じなのに利用するエージェントによって単価が変わってしまうのであれば、高い方を選びたいですよね。

なので、2次受け、3次受けは避けて、直受けの案件を選ぶようにしています。

実際に今の案件を選んだ理由

現在参画している案件も、これらの基準で判断しました。

特に決め手となった点を紹介します。

働きやすさを優先した

参画した案件はスタートアップ案件だったのですが、既に自社プロダクトから十分な収益を得られており、チーム体制が整備されていて、メンバーの役割も明確になっている組織です。

また、稼働も安定しており、残業がほぼないことも確認しました。

レバテックから紹介された案件だったのですが、既にレバテックから参画している人がいて、その人が既に8ヶ月稼働していること、全く残業をしていないことも確認しました。

これらの情報から、自分にとって働きやすい環境であると判断し、オファーを受けて参画を即決しました。こちらが提示した希望単価を満たしていたのはラッキーでした。

長く続けられそうだと感じた

僕としてはできれば長期で携わりたかったので、環境の話を聞いて長く続けられそうだと思えたのも大きかったです。

面談では都合が悪い情報は隠されているのでは?と疑ってしまうのですが、既に稼働している人が8ヶ月稼働しているという情報を聞けたのも後押しになりました。

結果として納得できる選択だった

今の案件に参画して、この記事を書いている時点で6ヶ月弱経過していますが、ここに参画して良かったと今でも思っています。

聞いていた通り、体制、役割ははっきりしており、残業もないです。しかもフルリモート。単価も問題なし。

セキュリティーが厳しく、僕たちのような業務委託のメンバーはやれることの制限がかなりあって、やりにくい部分はあるのですが、そこは許容できる範囲です。

おそらく、同等の条件の案件をこれから探すのは難しいと思うので、自分の選択は間違っていなかったと考えています。

40代後半だからこそ避けたい案件

良い案件を選ぶことと同じくらい、「避ける案件」を決めておくことも大切だと感じています。

「今まで大丈夫だったから、これからも大丈夫」とはならないので注意が必要です。ちょっとしたことがきっかけで体調を崩してしまったりして、それまでとは同じようにならなくなったということは起こり得ます。

どこに落とし穴があるか分からないので、自分を守ることも意識します。

極端に残業が多い案件

昔は残業が多い案件はゴロゴロとありましたが、最近は減っている印象です。業界にもよるかもしれません。

しかし、まだないとは言えないので、面談でどのくらいの稼働かを確認して、残業が多そうであれば避けることをおすすめします。

若い頃と比べて、確実に体力は落ちています。疲労の回復も20代、30代の頃に比べると遅くなっているのを実感します。

疲労の蓄積で、気付いた時に重大な病気になっていたなんてことになることもあるので、注意が必要です。体を壊して働けなくなる状態になるのは絶対に避けたい事態なので、残業が少なく負荷が少ない案件を選びたいです。

キャッチアップの負荷が高すぎる案件

例えば、1人の人に属人化している案件があったとします。その人が辞めることに伴い代替要員で参画するとなった場合、その人がやっていたことを全て引き継がれることになります。

これは僕が実際に経験したことです。知り合いが経営するスタートアップでの案件でした。

前任者の退職に伴い、僕が代替要員として参画して、前任者が3年かけてやっていたことを2週間で引き継ぎされました。こんな短期間で全てキャッチアップできるわけがありません。

でも、前任者の退職日は確定しており、僕のキャッチアップ速度が経営陣の期待値を下回っていたため、かなり急かされました。抜き打ちテストみたいなのをやられて、回答できないと怒られる。

始めからこのような事態になることが分かっていれば参画しなかったと思いますが、参画が確定してから前任者の退職を知らされたため避けられませんでした。

スタートアップや少人数でやっている案件だと、このようなことが起こり得るので、面談で現在の体制、人数、役割などはしっかり確認しておいた方がいいです。募集の理由がメンバー離任による代替なのか、単純な増員なのかも確認することをおすすめします。

短期間で成果を強く求められる案件

炎上案件や属人化しており、そのメンバーの離任日が迫っている場合によくあるパターンです。

どんなに経験豊富なエンジニアでも、1つのシステムの仕様を短期間で全て把握するのは容易ではありません。それなりにキャッチアップ期間が必要です。

それが許されない案件というのは、何らかの問題を抱えていることが多いです。

このような案件は参画したら誰でもしんどいので、人がなかなか定着しないことも多いです。

これについても面談で稼働が安定しているかと、体制、人数、役割などを確認することをおすすめします。

自分の価値観と合わない案件

これはかなり大事です。理由は、価値観の違いだけはどうやっても分かり合えないからです。簡単にわかり合えるものだったら、世界でこんなに戦争は起こらないはずです。

そういう価値観もあるよねと理解することはできても、自分がその価値観に合わせるのは相当なストレスになります。

価値観が合わない案件とは、仕事に対する考え方などです。

例えば、仕事が趣味のような人の場合、四六時中仕事のことを考えていて、仕事以外の趣味や旅行に時間を使うのはもったいない。そんな時間があるのなら仕事したいという人がいます。休むこともほとんどしません。夜遅くでも平気で仕事をしています。本人は好きでやっているので楽しいのだと思います。

少なくとも僕とは全く合わない価値観です。

そのような価値観があることは否定しませんし、それほど仕事に情熱を注げるのは羨ましいと思います。

ただ、それに合わせて仕事をしていたら僕だったら疲弊してしまいます。

このように、価値観が合う、合わないは非常に大事です。なので、まずは自分の価値観を明確にしておくことが大事です。これが分からないと、自分の価値観とは合わないのに無理して働くことになり辛くなります。

自分の価値観をしっかりと認識し、面談の中で自分と合いそうかをしっかりと確認することが大切です。

案件選びで後悔しないために意識していること

100満点の案件を見つけることは難しいと思っています。

だからこそ、自分なりの判断基準を持つようにしています。

優先順位を明確にする

まずは優先順位を明確にすることです。

スキルを身に付けることなのか、単価なのか、リモートができるかなのか。これは人それぞれです。

優先順位が明確になっていれば、エージェントから案件を紹介してもらう場合も、担当者にそれを伝えれば、希望に合いそうな案件を探してくれます。

何を優先するのか。それをはっきりさせています。

案件探しで楽しようとしない

案件探しは正直面倒ですし、疲れます。

なので、以前携わっていた案件から「戻ってきてくれないか」と声をかけられたり、知人から「この案件、やってみない?」と誘われたりすると、「面倒な選考がなく参画できる」と魅力的に感じてしまいます。

本当に戻りたい案件だったり、是非やってみたい案件であれば、受諾でもいいと思います。

しかし、単純に「楽したいから」という理由の場合は要注意です。僕の経験では、このような理由で誘いを受諾した場合、良い結果になったことがありません。

以前いた案件はどんな理由で離任したか?先方の都合?それとも自身の希望?前者であれば、何らかの理由で自分が不要になった。後者であれば、何かしらの不満があったはず。戻ったところでまた同じことの繰り返しになる可能性があります。そうなる可能性がないか、冷静に検討するようにしてます。

また、知人からの誘いの場合は、上記で「キャッチアップの負荷が高すぎる案件」にも書きましたが、メンバー離任に伴う無茶な引き継ぎをされることもあるので、その案件の情報をなるべく多く集めて大丈夫そうかをしっかり確認することが大事だと考えます。当たり前の話ではあるのですが、知人だからと言って安心し過ぎるのは危険なこともありますので。

自分が長く働けるかを考える

短期間での環境変化は精神的に大きな負荷をかけます。

また、3ヶ月くらいの短期の案件が続くと、経歴的にも良くない状態となり、「この人、最近契約切らててばかりなのか」と思われて選考で不利になります。

できれば、1年以上の長期で働ける案件に携われるのが理想だと考えており、そのような案件に携わるようにしています。それにはやはり、案件探しにおける優先順位を明確にしておくことが大事だと感じます。

自分が働きやすく、能力が発揮しやすい環境かは本当に大事です。この土台がないと、身に付けられるスキルが思ったように身につかない状態になります。

長く働ける案件 = 自分に合っている働きやすい環境 だと認識して、面談で見極めることを意識しています。

まとめ

20代、30代の頃と違って、40代後半になると案件選びの基準は変わってきます。色んなことを経験して、考え方が変わりますし、家族など周囲の環境も変わるからです。

単価は大事です。自分を安売りする必要ありません。でも、働きやすさも重要です。

経験が少ない頃はできることが限らていたので、担当できる役割は限られます。

しかし、経験を重ねると、色んなことができるようになるので、担当できる役割の選択肢が増えます。上流工程を中心にやりたいのか。下流工程を中心にやりたいのか。フルスタックを目指すのか。それともフロントエンドやバックエンドに特化したいのかなどです。

そして、案件によって求められる役割は異なります。自分の希望と合っているのか、自分なりの判断基準を持つことが後悔しない一番と近道となります。

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