PMをやりたくないエンジニアへ|PMを避けて24年働いた僕の選択

仕事・キャリアへの違和感

会社からリーダーやPMを求められて、「PMをやりたくない。でも、このままで大丈夫だろうか」と悩んでいませんか?

僕は2002年からITエンジニアとして働き、2018年からはフリーランスをしています。SES出身で、PMの経験は一度もありません。それでも、開発メンバーとして24年間働き続けてきました。

この記事では、PMをやりたくないエンジニアが選べるキャリアと、僕がPMをやらずに働き続けるために意識してきたことを紹介します。あくまで僕個人の経験ですが、同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

「PMをやりたくない」と感じるのは悪いことではない

「PMをやりたくないのは、逃げなのでは」と感じていませんか?キャリアアップしない自分はダメなのでは、と悩む方も多いと思います。

僕は今、PMをやらないことを後ろめたく思っていません。PMは誰でもできる仕事ではなく、向き不向きがあると考えているからです。

ただ、最初からそう思えたわけではありません。若い頃は、同年代の人がリーダーやPMになっていくのを見て落ち込んでいました。「なんであの人はできるのに、自分はできないんだろう」と比べてばかりでした。当時の僕は、自分の性格がよく分かっていなかったのだと思います。

考え方が変わったきっかけは2つあります。

1つ目は、責任者として参画した案件で、まったく力を出せなかったことです。立場はPMではなかったのですが、ほぼ丸投げでPM的な立ち回りを求められました。結局、先方の期待に応えられず1か月で契約終了、つまりクビになりました。これを2回経験して、自分は責任者の立場だと力を出せないタイプなのだと分かりました。

2つ目は、人前で話すのが苦手なことです。子どもの頃から苦手で、社会人になってからも上手くなることはなく「話すの下手だよね」とよく言われてきました。克服したくて、スピーチサークルに3年間通いました。それでも、まったく克服できませんでした。

このとき、努力しても克服できない苦手なことはあると分かりました。それなら、苦手なことを克服しようとするより、得意なことを伸ばす方が効率的です。そう考えるようになってから、人と比べて落ち込むことは少なくなりました。

人前で説明するのが苦手な人や、管理する立場になると力が出なくなる人もいます。そういう人がPMを避けるのは、逃げではなく自分に合った働き方を選んでいるだけです。

僕がPMをやらない理由は、僕がPM(プロジェクトマネージャー)をやらない理由で詳しく書いています。

PMをやらない僕が、現場で担ってきた役割

PMをやらないと、現場で居場所がなくなるのでは、と不安に思うかもしれません。でも、PM以外にも現場で頼りにされる役割はたくさんあります。

僕がこれまでの案件で担ってきたのは、主に次のような仕事です。

役割内容
開発実装・テスト
保守・運用障害対応、問い合わせ対応
調査・改善原因調査、性能の改善、既存コードの整理
上流工程要件定義・設計

一番頼りにされたと感じたのは、担当システムの仕様を完全に理解していたときです。障害が起きても、どこが原因かすぐに目星がつく状態でした。そのため、何かあるとまず僕に声がかかるようになりました。システムを誰よりも深く知っていることも、立派な強みだと思います。

要件定義の経験もありますが、責任者の立場とは別ものだと感じています。要件定義は担当する範囲がはっきりしていて、最終的な責任者は別にいました。人をまとめたり、管理したりする役割もありませんでした。だから、責任者のときのようなプレッシャーはなく、普段どおりに力を出せました。

PMをやらなくても、上流工程に関われないわけではありません。苦手なのが「人を管理すること」なのか「上流工程そのもの」なのかを分けて考えると、選べる仕事の幅は広がります。

PMをやらないエンジニアのキャリアの選択肢

PMをやらずに働き続ける道は、大きく分けて3つあります。

選択肢向いている人
今の会社で技術者として続ける会社に技術職のキャリアがある人
転職して、開発メンバーとして働ける会社に移る今の会社ではPMになるしか道がない人
フリーランスになって、開発メンバーとして参画する自分で案件を選びたい人

今の会社で技術者として続ける

最近は、技術を極める「スペシャリスト」の道を用意している会社も増えています。今の会社にそういう道があるなら、まずは上司に希望を伝えてみるのが近道です。

僕の場合は、会社員時代に1人で客先常駐することが多くありました。そのため、年齢が上がってもリーダーや管理の役割を求められる雰囲気はありませんでした。会社によっては、PMを求められないまま技術者として働き続けられることもあります。

転職して、開発メンバーとして働ける会社に移る

今の会社では、年齢とともにPMになるしか道がない場合もあると思います。その場合は、開発メンバーとして長く働ける会社へ転職するのも1つの方法です。面接で「PMではなく技術者として働きたい」とはっきり伝えておくと、入社後のずれを防げます。

僕自身は、PMを避けるために転職したことはありません。ただ、PMを求められ続けてつらいなら、環境を変えるのは自然な選択だと思います。

フリーランスになって、開発メンバーとして参画する

僕が選んだのは、この道です。以前一緒に働いていた人から、こう言われたことがありました。

「フリーランスになりたいなら、PMになることは諦めた方がいい」

PMという重要な立場を、外注のフリーランスに任せる企業は少ない。僕はそういう意味だと受け止めました。PMをやりたくない僕にとっては、むしろ背中を押してくれる言葉でした。

実際にフリーランスになってからは、開発メンバーの案件を自分で選べるので、PMを避けやすくなりました。フリーランスになった経緯は、40代でフリーランスエンジニアになった理由|8年間続けて感じたことで書いています。

PMをやらずに24年働き続けるために意識してきたこと

PMをやらずに長く働くために、僕が意識してきたことは3つあります。

担当システムの仕様を深く理解する

1つ目は、担当システムの仕様を深く理解することです。先ほど書いたとおり、仕様を完全に理解していると障害の原因の目星がすぐにつきます。人をまとめる力がなくても、「このシステムのことならあの人に聞けばいい」と思ってもらえます。それが、PMをやらない僕にとっての居場所になってきました。

技術の学習を続ける

2つ目は、技術の学習を続けることです。PMをやらない以上、技術力が一番の武器になります。

しかも今は、AIの登場で技術の変化がとても速くなっています。学ぶのをやめると、すぐに取り残されてしまうと感じています。僕も今は、仕事でClaude Codeを使うようになりました。

苦手なことを高いレベルで求められる環境を避ける

3つ目は、無理をしない、消耗しない働き方を選ぶことです。具体的には、次のようなことをしています。

  • 責任者やリーダーのポジションの案件は受けない
  • 残業が多い案件や、炎上している案件を避ける
  • 面談のときに、自分の役割や担当範囲をはっきり確認する

先ほど書いたように、僕は人前で話すのが苦手で、努力しても克服できませんでした。誰にでも、どうしても苦手なことはあると思います。どうしても苦手な分野の力を高いレベルで求められる環境は、自分に合っていないと考えています。だから、そういう環境は最初から避けるようにしています。

この先いつまで働けるかについては、40代後半フリーランスエンジニアはいつまで働ける?48歳の僕が考えていることで書いています。

PMをやりたくなくて退職を考えている人へ

PMを求められて、会社を辞めようか悩んでいる方もいると思います。

僕がフリーランスになったとき、PMを避けたいことは退職の理由にほとんど入っていませんでした。一番の理由は「仕事を選びたかったから」です。ただ、仕事を選べるようになったことが、結果的にPMを避けることにもつながりました。今ふり返ると、ある意味では理由の1つだったのかもしれません。

その経験から、辞める前にやっておいてほしいことが2つあります。

自分がどんな環境で力を出せるのかを整理する

1つ目は、自己分析です。PMが合わないと感じる理由は、人によって違います。人を管理するのが苦手なのか、人前で話すのが苦手なのか、責任の重さがつらいのか。これまでの経験をふり返って、自分がどんな環境なら力を出せるのかを把握しておくことをおすすめします。

僕の場合は、責任者の立場で複数回クビになった経験や、スピーチサークルで克服できなかった経験から、それが分かりました。苦手なことがはっきりすれば、次の職場や案件を選ぶときの基準になります。

辞める前に、次の見通しを立てておく

2つ目は、辞める前に次の見通しを立てておくことです。見通しがないまま辞めると、次がなかなか決まらないときに焦ってしまいます。焦ると、また合わない職場を選んでしまうかもしれません。

在職中に転職活動を始めること自体には、大きなリスクはないと僕は考えています。転職エージェントに登録して話を聞いてもらったり、求人を紹介してもらったりするだけでも、自分の選択肢が見えてきます。フリーランスを考えている人なら、フリーランス向けのエージェントに相談するのも1つの方法です。

よくある質問

PM経験がないと、単価は上がらない?

PM経験がなくても、単価は上がると僕は感じています。僕の場合、フリーランスになってから単価は上がりました。評価されたのは、これまでの経験で身につけた設計力や実装力、コードを読む力だと思います。「即戦力として期待できる」と見てもらえたのだと考えています。

ただ正直に言うと、PMとして働けていれば、もっと上がったのかなと思うこともあります。PMをやらない分、上がり方に限りがあることは受け入れておいた方がよいと思います。

40代でPM経験なしだと、転職や案件探しは厳しい?

僕は40代でフリーランスとして案件を探してきました。その中で、PM経験がないことで不利だと感じた場面は、ほとんどありませんでした。開発メンバーとしての経験が十分にあれば、PM経験がないことはそれほど気にしなくてよいと思います。

フリーランスでもPMやリーダーを求められる?

リーダーやPMの経験を求める案件もあります。ただ、僕が紹介される案件は、開発メンバーの案件の方がずっと多いです。

これは、エージェントの担当者に「開発メンバーで参画したい」と伝えているからだと思います。PMをやりたくない人は、最初の面談で希望をはっきり伝えておくと、合わない案件を紹介されにくくなります。

まとめ

PMをやらずに24年働いてきて、僕が伝えたいことは次のとおりです。

  • PMは誰でもできる仕事ではなく、向き不向きがある。やりたくないのは逃げではない
  • 努力しても克服できない苦手なことはある。それなら得意なことを伸ばす方が効率的
  • システムを深く知ること、技術の学習を続けることで、PMをやらなくても現場で頼りにされる
  • 苦手なことを高いレベルで求められる環境は、最初から避けてよい
  • 辞める前に、自分が力を出せる環境を整理し、次の見通しを立てておく

PMにならなくても、エンジニアとして働き続ける道はあります。自分に合った働き方を、焦らずに選んでいただけたらと思います。

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