40代でフリーランスになる前の準備|SES出身の僕がやったこと

フリーランス

40代でフリーランスになりたいけれど、何から準備すればいいのか分からない。そんな不安を抱えていませんか?

僕は、SESの会社員としてエンジニアを16年ほど続けたあと、40歳でフリーランスエンジニアになりました。PM経験はありません。独立してから、今年で丸8年になります。

この記事では、40代でフリーランスになる前に、僕が実際にやった準備を紹介します。独立を決めてからの4か月の流れ、仕事の準備、お金と手続きの準備、そして今でも後悔している準備まで、正直にお話しします。

40代でフリーランスになるのは遅くない?

「40代からフリーランスになるのは遅いのでは」と不安に感じていませんか?

フリーランス協会の「フリーランス白書2025」では、フリーランスの中で一番多い年代は40代(38.5%)でした。50代・60代まで含めると75.3%になります。40代でフリーランスになる人は、決して珍しくありません。

僕がSESの会社員からフリーランスになったのは、ちょうど40歳のときです。「遅いかも」という不安は少しありました。ただ、全く案件が見つからないことにはならないだろうと思っていました。SESで働いていた現場に、40代のフリーランスの人が実際にいたからです。

それでも、不安が無かったわけではありません。当時の僕が抱えていた不安は、次の3つでした。

  • 50代になったら、案件が減ったり無くなったりするのではないか
  • 希望していた分野の案件に参画できるのか
  • 案件が途切れたら、収入はどうなるのか

1つめの不安は、正直なところ今でもあります。

2つめは、仕事の分野を変えたかったからです。会社員の頃は、C#を使った業務システムの保守が中心でした。フリーランスになったら、Rubyを使ったWeb系の仕事に移りたいと考えていました。経験の少ない分野で、希望に合う案件が見つかるのかが心配でした。

3つめが一番重かったです。フリーランスになると決めた日の夜は、収入が無くなって家族と路頭に迷う場面ばかり想像してしまい、眠れませんでした。

不安がゼロになることはありませんでした。だからこそ、独立するまでの間に、できる準備をしておこうと考えました。ここからは、僕が実際にやった準備を順番にお話しします。

なぜ40歳で独立を決めたのかは、40代でフリーランスエンジニアになった理由|8年間続けて感じたことで書いています。

独立を決めてから独立するまでの流れ

僕の場合、独立を決めてから、フリーランスとして最初の案件に参画するまで約4か月でした。流れは次のとおりです。

時期(2018年)やったこと
2月頃フリーランスになると決める
3月初旬会社に退職の意向を伝える
4月末会社員として最後の現場を離任
5月ほぼ有給休暇を消化。GW明けの5月中旬に最初の案件が決まる
6月フリーランスとして最初の案件に参画

ポイントは、案件が決まる前に退職を伝えたことです。

転職なら、次の会社の入社日がある程度決まります。そこから逆算して、退職日を決められます。

フリーランスの場合はそうはいきません。エージェントに案件探しをお願いしても、本格的に紹介されるのは、早くても参画希望日の2か月前くらいだと見込んでいました。案件が決まってから退職を伝えたのでは、遅いと考えたんです。現場の引き継ぎに必要な期間も考えました。有給休暇もきちんと消化したかったので、3月初旬には会社に伝えました。

4月末に現場を離れてから、5月中旬に案件が決まるまでは、不安がありました。ただ、有給休暇の期間中だったので、気持ちには少し余裕がありました。給料が出ている間に案件を探せたのは、大きかったと思います。

これからフリーランスを考えている方は、「参画したい月」から逆算して、退職を伝える時期を決めるのがおすすめです。

独立前にやった仕事の準備

経歴の棚卸し・スキルシートの作成

フリーランスの案件探しでは、スキルシート(職務経歴書)が名刺代わりになります。エージェントは、これを見て案件を紹介し、企業に提案します。

僕の場合は、ゼロから作ったわけではありません。エージェントからスキルシートの雛形をもらい、会社員時代に使っていたスキルシートの内容を転記しました。SESで働いていた方なら、会社で作ったスキルシートがあると思います。それをもとにすれば、大きな手間はかかりません。

工夫したのは、希望する仕事につながる経験をしっかりアピールしたことです。

先ほど書いたとおり、僕はC#の保守からRubyのWeb系に移りたいと考えていました。ただ、スキルシートに書けるRubyの経験は1つしかありませんでした。友人から「Railsでサービスを作りたいから手伝ってほしい」と頼まれて、3人ほどの小さなチームで開発した経験です。しかも副業でやっていた仕事です。数少ない実績だったので、その内容をしっかり書きました。

その結果、最初の案件はRubyを使うWeb系の案件に決まりました。面談でも、その経験はあまり深掘りされませんでした。当時はエンジニアとして16年ほどの経験があったので、それで大丈夫だと判断されたのではないかと思っています。

40代の方は、それだけ長い経験があります。分野を変えたい場合でも、小さな経験でも希望につながるものは、きちんと書いておくことをおすすめします。

エージェントへの登録

フリーランスエンジニアの多くは、エージェント(案件を紹介してくれる会社)を通して案件を探します。複数のエージェントに登録する人も多いです。

僕が最初の案件を探したときに登録したのは、中小のエージェント1社だけでした。知り合いから紹介された会社です。1社にした理由は、次の3つでした。

  • 知り合いの紹介なので、信頼できると思った
  • 何社も登録するのが面倒だった
  • その会社で、十分に案件が見つかりそうだった

ただ、これは準備不足でもありました。そもそも、どんなエージェントがあるのかを、ちゃんと調べていなかったんです。この点は、あとで後悔することになります。

案件探しの流れは、次のとおりでした。4月にエージェントのヒアリング(希望やスキルの聞き取り)を受け、その頃から案件の紹介も始まりました。ただ、GWの直前だったこともあり、企業との面談の依頼が来たのはGW明けからでした。そして5月中旬に、最初の案件が決まりました。

「本格的に紹介されるのは参画希望日の2か月前くらい」という読みは、ほぼそのとおりでした。ただ、GWや年末年始などの長期休暇をはさむと、面談が止まることは知っておいてください。

エージェントを使うメリットとデメリットは、フリーランスエンジニアがエージェントを利用して案件参画するメリット・デメリットで詳しく書いています。

独立前にやったお金と手続きの準備

生活費の備え・クレジットカードなど

フリーランスになると、案件が決まるまで収入が無い期間ができることもあります。また、会社員のときより、ローンやクレジットカードの審査に通りにくくなると言われています。お金まわりは、会社員のうちに準備しておくと安心です。

僕がやったお金の準備は、次の3つです。

準備僕がやったこと
生活費の備え「◯か月分」という目安は決めなかったが、ある程度の貯金はあった
クレジットカード事業用とプライベート用を分けるため、会社員のうちにもう1枚作った
住宅ローン独立の3年前(2015年)に、家を買ってローンを組んだ

住宅ローンについては、少し恥ずかしい話があります。

実は、2018年に辞めるずっと前から、その会社は辞めたいと思っていました。ただ、家を買いたかったので、住宅ローンの審査を通してから辞めようと考えていたんです。2015年に家を買い、ローンも組めました。でも、そこからなかなか辞める決断ができず、結局辞めたのは2018年になってしまいました。

家や車など、大きなローンを考えている方は、会社員のうちに済ませておくのがおすすめです。

もう1つ、早めに動いたのが健康保険です。会社を辞めると、健康保険は次のどれかに切り替える必要があります。

  • 会社の健康保険を任意継続する(退職後、最長2年。退職日の翌日から20日以内に申請)
  • 国民健康保険に入る
  • 家族の健康保険の扶養に入る

僕は、任意継続を選びました。理由は、次の3つです。

  • 保険料が、国民健康保険より安かった
  • 家族を扶養に入れたままにできた
  • 健康保険組合の給付やサービスが良かった

任意継続は、申請の期限が短いです。そこで、退職が決まってすぐに会社の事務の担当者に伝え、必要な書類をもらえるようにしておきました。任意継続では、会社が負担していた分も自分で払うことになります。どれが安いかは人によって違うので、退職前に比べてみてください。

開業届・会計ソフト(インボイスは独立後に登録)

フリーランスになったら、税務署に開業届(個人事業の開業届出書)を出します。あわせて、青色申告承認申請書も出しておくのが一般的です。青色申告は、帳簿をきちんとつけることで、税金の控除が受けられる申告の方法です。

僕は、有給休暇中の5月に、税務署へ開業届と青色申告承認申請書を一緒に出しました。会社員としての仕事がない時期だったので、落ち着いて手続きできました。

会計ソフトは、マネーフォワードを独立前に準備して、最初から使いました。銀行口座はもともと複数持っていたので、そのうち1つを事業用に決めていました。クレジットカードも事業用とプライベート用に分けていたので、事業用の口座とカードをマネーフォワードにつないで、取引の記録を自動で取り込めるようにしました。

手続きや会計ソフトの準備は、時間のある有給休暇中に済ませておくと、独立後に慌てずにすみます。

インボイス(取引先が消費税の控除を受けるために必要な請求書を発行できる事業者の登録)は、独立してからだいぶあとの話です。僕は売上の関係で、2024年1月から消費税の課税事業者になる必要がありました。そこで、同じタイミングでインボイスにも登録しました。

マネーフォワードを使った確定申告の感想は、フリーランスエンジニアの確定申告に会計ソフトは必要?マネーフォワードを使っている僕の感想で書いています。

やっておけばよかったと後悔した準備

独立前の準備をふり返ってみて、後悔していることが1つあります。エージェントをきちんと比べずに、1社だけで決めてしまったことです。

先ほど書いたとおり、最初は知り合いに紹介された中小のエージェント1社だけを使っていました。どんなエージェントがあるのかを調べておらず、商流のことも全く考えていませんでした。商流とは、案件を発注する企業から自分までの間に、何社の会社が入っているかのことです。SES出身なのにここをしっかり考えなかったのは怠慢でした。

商流の大切さに気づいたのは、独立から6年たった2024年です。案件が終わったときに、最初のエージェントと並行して、大手のクラウドワークステックに登録しました。そこで、条件の違いに気づきました。

商流が深い(間に入る会社が多い)と、それぞれの会社の取り分が上乗せされます。そのため、自分の希望単価で参画しようとすると、クライアント企業に提示される単価が高くなります。その結果、選考に通りにくくなってしまうんです。

40代になると、経験に見合った単価を希望することが多いと思います。商流が深いと、その希望単価が選考で不利に働くことがあります。

今の僕が2018年の自分にアドバイスするなら、こう言います。

> エンド直受け(クライアント企業と直接契約している案件)が多い大手エージェントに登録して、比べてみよう

これからフリーランスになる方は、最初から1社に絞らず、いくつかのエージェントを比べてみてください。大手エージェントの場合、案件を紹介されたときに商流も書かれていることが多いです。商流が分からない案件は、担当者に聞いてみるのがおすすめです。

2024年にクラウドワークステックを使った感想は、40代後半フリーランスエンジニアがクラウドワークステックを使ってみた感想で書いています。

40代でフリーランスになる前に考えてほしいこと

ここまで、僕が独立前にやった準備をお話ししてきました。最後に、40代で独立を迷っている方に考えてほしいことを2つお伝えします。

1つめは、不安がゼロになるまで準備が整うことはないということです。

僕も、独立を決めた日の夜は眠れませんでした。準備を進めても、50代になったときの不安は今でも残っています。準備は大切です。でも、不安が消えるのを待っていたら、いつまでも踏み出せません。できる準備をやったら、あとは決断するしかないと思っています。

2つめは、家族の了承を得ておくことです。特に結婚している方は、配偶者の了承は必ず得ておくべきだと考えています。フリーランスになると収入が不安定になることもあり、家族の生活に直接かかわるからです。

僕の場合は、妻の一言が決め手になりました。

会社を辞めようと思ったとき、僕はまだ、別の会社に転職するか、フリーランスになるかで迷っていました。妻に相談したところ、こう言われたんです。

> あなたは会社員に向いていないから、フリーランスになった方がいい

この言葉に背中を押されて、フリーランスになることを決めました。

40代での独立は、自分ひとりの問題ではありません。だからこそ、迷っているなら、まず家族に相談してみてください。自分では気づかなかった答えが返ってくるかもしれません。

まとめ

40代でフリーランスになる前に、僕がやった準備と、ふり返って思うことをまとめます。

  • 40代でフリーランスになる人は多い。僕も40歳で独立した
  • 退職は、案件が決まる前に伝えた。「参画したい月」から逆算し、引き継ぎと有給休暇の消化も考えて決める
  • スキルシートには、希望する分野につながる経験を、小さなものでもしっかり書く
  • ローン・クレジットカード・健康保険・開業届・会計ソフトは、会社員のうちや有給休暇中に済ませておく
  • エージェントは1社に絞らず、エンド直受けが多い大手を比べる。商流も確認する

不安がゼロになるまで、準備が整うことはありません。僕も、今でも不安を抱えながら働いています。それでも、できる準備をして、家族と話し合ったうえで決めた独立は、後悔していません。

この記事が、40代で独立を考えているあなたの準備の参考になればうれしいです。

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