フリーランスエンジニアになって後悔しないか、不安に感じていませんか? 独立したい気持ちはあっても、収入や将来のことを考えると、なかなか踏み出せない方も多いと思います。
僕は40歳で会社員を辞めて、フリーランスエンジニアを8年続けてきました。この記事では、その8年で実際に後悔したこと、逆に後悔していないことを正直にお話しします。後悔しやすい人の特徴や、後悔しないために僕がやっている備えも紹介します。
フリーランスエンジニアになって後悔したことはある?僕の結論
フリーランスになって後悔しないか、気になっている方も多いと思います。
先に結論をお伝えします。僕はフリーランスになったこと自体は後悔していません。細かい後悔はいくつもあります。それでも8年たった今、「なってよかった」と思っています。
一番の理由は、案件を自分で選べるようになったことです。
SESの会社員だった33歳のころ、大炎上している案件に参画しました。毎日終電近くまで働き、たった3か月で寝汗や湿疹が出るほど体調を崩しました。すぐにでも抜けたかったのですが、会社はなかなか離任を認めてくれませんでした。
フリーランスになってからは、合わない案件は自分の判断で契約を終わらせられます。面談の段階で、危なそうな案件を断ることもできます。僕は実際に、その両方を経験しました。
会社員のころは、どんなにつらくても自分の意思だけでは抜けられませんでした。フリーランスなら抜けられます。この違いが、僕にとっては何より大きかったのです。
体調を崩した案件のことは、40代後半フリーランスエンジニアが考える『良い案件』とは?で詳しく書いています。
僕がフリーランスエンジニアになって後悔したこと
フリーランスになったこと自体は後悔していません。それでも「ここは会社員のほうが楽だった」と感じることはあります。僕が実際に後悔したことを3つお話しします。
案件が途切れる不安が消えない
フリーランスになって8年たっても、案件が途切れる不安は消えていません。
特に不安になるのは、新しい案件に参画したばかりの頃です。クライアントからどう評価されているのか、どうしても気になってしまいます。契約更新の連絡が来るまでは落ち着きません。
年齢を重ねるにつれて、「この案件が終わったら、次はあるのか?」という不安も強くなりました。
きっかけは、2024年の案件探しで大苦戦したことです。まず、書類選考がなかなか通りませんでした。面談に進めても、7件受けて4件は落ちました。次の案件が決まったのは、開始日の10日ほど前です。
一番の原因は、使いたい技術を絞りすぎたことだと分かっています。それでも、自分はあまり需要がないエンジニアなのではないかと、すっかり自信をなくしてしまいました。
このときの案件探しのことは、案件面談に落ちる理由|40代フリーランスエンジニアの失敗談で詳しく書いています。
確定申告はやはり面倒
確定申告は、会計ソフトのマネーフォワードを使って自分でやっています。ソフトのおかげで、かなり楽にはなっているはずです。それでも、面倒なものは面倒です。
僕が特に面倒だと感じるのは、次の3つです。
- 領収書の整理や日々の帳簿づけを、つい溜めてしまう
- 申告の時期(2〜3月)は、本業と並行して進めないといけない
- たまに仕訳のやり方が分からず、調べるのに時間がかかる
納税に関わることなので、間違えるわけにはいきません。そのぶん気も使います。会社員のころは、年末調整の書類を出せば終わっていました。あの手軽さは、フリーランスになって初めてありがたさが分かりました。
国民健康保険・国民年金の負担が重いのに、保障は薄い
一番「会社員のほうがよかった」と感じたのは、社会保険です。
僕は会社を辞めたあと、2年間は会社の健康保険の任意継続(退職後も最長2年、前の会社の健康保険に入り続けられる制度)を使いました。それが終わって、国民健康保険と国民年金に切り替わったときに、負担の重さを実感しました。
国民健康保険には、会社員の健康保険のような「扶養」という考え方がありません。家族一人ひとりに保険料がかかるので、家族がいるとそのぶん負担が重くなります。
それなのに、保障は会社員のころより薄くなります。将来もらえる年金は、厚生年金が無いぶん少なくなります。病気やけがで働けなくなったときの傷病手当金も、国民健康保険には原則ありません。
負担が増えることは、独立する前から覚悟していました。それでも実際に払う立場になると、想像以上に重くのしかかってきます。
逆に、フリーランスになって後悔していないこと
ここまで後悔したことを書いてきました。でも、それ以上に「フリーランスになってよかった」と思うことがあります。
合わない案件から自分の判断で離れられる
記事の冒頭でもお話ししたとおり、一番よかったのは案件を自分で選べることです。僕は実際に、合わない案件を自分の判断で契約終了にしたことがあります。
2026年1月末で終了した、知り合いが経営する会社の案件です。仕事が趣味のような人が多く、休みがとても取りにくい職場でした。
お盆に帰省するため、3日間の休みを取ろうとしたときのことです。僕は2か月前から「ここで休みます」と伝えていました。それなのに、休みの直前になって「この仕事とあの仕事が止まるということですね?」と言われ、ちょっとした騒ぎになりました。せっかくの休みなのに全くリフレッシュできませんでした。
仕事に対する価値観が、根本から合わないと感じました。このお盆の出来事以外にも嫌な思いをすることが結構ありました。
そして「ここではやっていけない」と思い、契約を終わらせることにしました。
面談の段階で危なそうな案件を断れる
参画する前に、面談の段階で断れるのもフリーランスのよいところです。僕がお断りした案件には、たとえば次のようなものがありました。
- 稼働時間を質問したら、「障害が起きた月は、残業が80時間くらいになることもあった」と言われた案件
- 面談でコーディングテストがあった案件。面談でテストをするくらいなので、コードの書き方に自由度が少ない、厳しい環境なのではと感じた
どちらも、参画したら疲れ果ててしまいそうだと感じました。SESの会社員だった頃なら、会社が決めた案件に入るしかなかったと思います。入る前に「やめておきます」と言えることは、体調を崩した経験がある僕にとって大きな安心です。
仕事の結果で評価される
会社の評価制度から離れられたことも、後悔していない点です。
会社員の場合、現場で結果を出しても、評価が上がるとは限りません。フリーランスなら、よほど勤怠が悪かったり、横柄な態度をとったりしない限り、仕事の結果で評価されます。評価の基準が分かりやすいので、納得して働けています。
収入も、会社員の頃より上がりました。ただ、僕にとっては収入よりも、ここまでお話しした「選べること」「分かりやすく評価されること」のほうがずっと大きいです。
「フリーランスエンジニアはやめとけ」は本当?後悔しやすい人の特徴
ネットで調べると、「フリーランスエンジニアはやめとけ」という意見をよく見かけます。理由として挙げられているのは、収入が不安定になる、福利厚生が無い、事務作業を自分でやる必要がある、といったものです。
僕はこの意見を、間違っているとは思いません。フリーランスは、向き不向きがはっきり分かれる働き方だからです。
フリーランスで後悔しやすい人
8年フリーランスを続けてきて、次のような人は後悔しやすいと感じています。
- 収入が不安定なことに、強いストレスを感じる人
- 確定申告などの事務作業が、とにかく苦手な人
- 福利厚生や雇用の安定など、会社に守られている安心感を大事にしたい人
フリーランスの収入が不安定になるのは事実です。僕も8年たった今でも、案件が途切れる不安を抱えています。安定を何より優先したい人には、あまりおすすめできません。大きなストレスを抱える可能性が高いからです。
フリーランスで後悔しにくい人
逆に、次のような人なら後悔しにくいと思います。
- 安定よりも、働く環境を自分で選べることを大事にしたい人
- 不安はあっても、備えをしながら付き合っていける人
フリーランスに向いていない人がいるように、会社員に向いていない人もいます。僕のように仕事を選びたがる人は、会社員に向いていない人の一例です。
「やめとけ」という意見は、会社員に向いている人にとっては正しいのかもしれません。大事なのは、自分がどちらに向いているかを考えることだと思います。
40代でフリーランスになって後悔しないためにやっておきたいこと
僕が後悔したことは、どれも「無くす」ことはできません。でも、備えておけば負担を軽くすることはできます。ここでは、僕が実際にやっていることを紹介します。
案件が途切れる不安への備え
案件が途切れる不安に対しては、次の3つをやっています。
- 生活費の数か月分の貯金を確保しておく(1年くらいあると安心)
- 複数のフリーランスエージェントに登録しておく
- 学習を続けて、応募できる技術の幅を広げておく
不安そのものは消えません。それでも、備えがあると思えるだけで気持ちはだいぶ違います。
案件が終わるときの備えについては、40代後半フリーランスエンジニアが案件終了に備えてやっていることでも詳しく書いています。
確定申告を楽にする工夫
確定申告の面倒さを減らすために、次の3つを工夫しています。
- 銀行口座とクレジットカードを、事業用とプライベート用と分ける
- 口座とカードをマネーフォワードに連携して、入力の手間を減らす
- 月に1回、1か月分の帳簿をまとめて入力する日を決めておく
それでも面倒なことに変わりはありません。ただ、申告の時期にまとめてやるより、ずっと楽になります。
社会保険の負担と将来への備え
国民年金だけでは、将来もらえる年金が少なくなります。そこで僕は、次の3つで自分で備えています。
- 付加年金(国民年金の保険料に上乗せして払うと、将来の年金が少し増える制度)
- 小規模企業共済(個人事業主向けの、退職金のような積み立て制度。掛金は全額が所得から控除されるので、節税にもなる)
- 新NISAでの積み立て
会社員なら、厚生年金や退職金で会社が用意してくれていた部分です。フリーランスは、そこを自分で用意しなければなりません。
よくある質問
会社員に戻りたくなったことはある?
あります。契約更新が近づいたとき、国民健康保険や国民年金の金額を見たとき、確定申告をするときです。収入が安定していて、社会保険も手続きも会社が面倒を見てくれる。そう考えると、会社員に戻りたい気持ちになります。
それでも戻らないのは、身軽に動けて、仕事を選べることを手放したくないからです。体調を崩した経験がある僕にとっては、収入の安定よりも、つらい環境からすぐ離れられることのほうが大事です。
詳しくはフリーランスから会社員に戻ることを本気で考えた瞬間とその理由で書いています。
40代からフリーランスになっても遅くない?
遅くないと思います。僕がフリーランスになったのは40歳のときです。独立して最初の案件は、エージェントに探してもらい始めてから3週間ほどで決まりました。ゴールデンウィークをはさんでいたので、実質2週間くらいです。受けた面談は2回でした。SESで積んできた実務経験が、そのまま評価されたのだと感じています。
ただ、これは2018年当時の話です。AIが普及した今とは、エンジニアに求められることも変わってきています。当時と同じようにいくとは限らないので、単純に比べることはできません。
また、40代後半になると、案件探しで苦戦することもあります。僕も2024年は書類選考がなかなか通らず、大苦戦しました。独立するなら、案件が途切れたときの備えもあわせて考えておくと安心です。
まとめ
フリーランスエンジニアを8年続けてきて、僕が感じていることをまとめます。
- フリーランスになったこと自体は後悔していない。一番の理由は、案件を自分で選べること
- 後悔したことは、案件が途切れる不安、確定申告の面倒さ、国民健康保険・国民年金の負担の重さ
- 「やめとけ」は半分当たっている。安定を何より優先したい人には向いていない
- 後悔は無くせないが、貯金・会計ソフト・小規模企業共済などで負担は軽くできる
フリーランスには、会社員には無い不安があります。それでも僕は、合わない環境から自分の判断で離れられる働き方を選んでよかったと思っています。
フリーランスと会社員、どちらが正解ということはありません。この記事が、あなたがどちらに向いているかを考えるきっかけになればうれしいです。

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